「ブレストって難しいよね。どうしたらうまくいくかな?」というお話 〜未来研究トーク2015の記録(1)〜

「ものづくり」のことはじめ、ブレインストーミングを考える

「ものづくり」のことはじめは、店頭で手に取る商品の完成度からは想像がつかないような混沌としたプロセス。「つくる」という言葉からは設計図ができてから製品化するまでの「どうつくるか?」の部分を想像しがちですが、一番大切なのは「なぜ、なにを、誰のためにつくるか?」を決める部分。アイディアを生み出し、それをつくるべきだと判断するまでの、ものづくりの、いわゆる「上流」の段階で、異なるスキルや考え方と責任をもった人が集まるチームはどう協働するべきなのか-。今回そんなテーマを取り上げた「未来研究トーク2015」のワークショップを取材しました。

そもそも未来研究トークって?

「未来研究トーク」は2011年に科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センターが実施した情報技術分野の俯瞰プロジェクトに集まった学術界や産業界の若手で構成された「未来研究開発検討委員会」のメンバーを核にして、「俯瞰力と問題設定力の鍛錬」を目的に掲げて、定期的に行われている勉強会です。

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未来研究トークの公式サイト

…というと、ちょっと堅く聞こえるかもしれませんが、取材した印象は「あたまを柔らかくしなやかにするための自己鍛錬道場」といった感じ。様々な分野で活躍する熱い思いをもった未来研究トークの若手メンバーが、本業を終えた後のアフターファイブに集まり、オーガナイザーが仕込むあらゆる種類のテーマに熱いディスカッションを交わしています。

さて、今回の未来研究トークのテーマは冒頭にも触れましたが「ものづくり」に欠かせない多様なチームメンバーの協働とそれをつなぐプレインストーミング(ブレスト)について。話題提供者に産業技術総合研究所の手塚明氏を招き、「思考と協働 〜製造の超上流工程にあるブレインストーミングを考える〜」というテーマで、ものづくりの上流で行われるブレストの難しさと、そこに関わる人と人、チームとチームの間で起きる協業と思考のプロセスを取り上げました。

手塚さん手塚 明 氏
内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の課題の一つ「革新的設計生産技術」の下で推進されている24の研究開発プロジェクトの一つ、「チーム双方向連成を加速する超上流設計マネージメント/環境構築の研究開発」の研究開発責任者。ご専門は計算工学で、製造・設計分野での研究開発に従事されてきました。最近はデザイナーの仕事とものづくりの研究開発の協働を目指したユニークな取り組みをされています。

ものづくりには、経営者、設計者、マーケター、デザイナー、技術者、テスター、プロダクトマネージャー、営業担当者など、様々なチームメンバーが関わります。特に「何を作ろっか?」を考える上流の段階は、目標がモヤモヤしているだけでなく、チームメンバーの立場や考え方が異なるため、みんなの視点を上手く取り入れ、かつ実装できる形にまとめるには大きな困難があります。手塚さんの研究と実践を参考に、メンバーの皆さんの日々の業務での協業の難しさと重ね合わせ、多様なメンバーによるよりよい協創のあり方について幅広い視点から検討するのが今回の議論でした。

手塚氏のプレゼンテーション資料とイベントの詳細はこちら

 ワークショップのハイライトは動画でもご覧いただけます

プロジェクトで生じる「部署間の溝」という盲点

産総研で推進するものづくりの上流における設計のマネジメントに関する研究・実践のフレームワーク、ロジック、考え方を解説する手塚さん。コンフリクトがおきやすいポイントなどを、冗談や実際にあった事例を交えながらわかりやすく説明。メンバーから、自身の日々の業務で直面する問題を交えた、具体的な質問が飛び交います。

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グループに別れての討論。こちらのグループが話し合っていた中心的なテーマの一つは、製品化プロジェクトの上流の段階で行うブレストで、複数の部署が関わるプロジェクトで生じる部署間、役割間の溝をどう埋めるかについて。立場の異なるプロジェクトメンバーの責任がオーバーラップする部分は、同時にそれぞれが責任を回避しようとする盲点にもなります。その盲点をどう早期発見するか?について図解しながら議論しています。

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ブレスト中のアイディアの「温度感」をどう記録するか

もう一つの中心テーマは、ブレストのときの「温度感」をどうデータ化するか?という話。ブレストで生まれてくるアイディアを文字だけのデータにすると、その時の空気感・温度感は失われてしまいます。自信満々に主張していたアイディアなのか、自信なさげに小さな声で語られていたアイディアなのか、それとも小さな声だけれど「どうしても使って欲しいんです」と必死に訴えたアイディアだったのか。データ化するときにその情報の温度感を残せるシステムが必要ではないのか?という手法の議論になりました。

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メンバー間で生じる「オーナーシップの差」をどう埋めるか

一方こちらのグループは産業界から2名が参戦。ブレストして生まれたアイディアを製品化したときに、何をもってその生まれたアイディアが「成功した」と言えるのか?と、下流の成果から上流のブレストのクオリティを問うアプローチで議論が進みました。 製造業で開発を進めるメンバーは、成功したかどうかのポイントは「顧客が満足する製品を作ったかどうか」であり、そこを拠り所にすることでブレずにプロジェクトを進めることができると語ります。開発の前提として、そのプロジェクトを牽引するメンバーの中にどれだけオーナーシップを持った人がいるかどうかで、そのプロジェクトの成否が決まるとも。

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「とにかくやってみる」がうまくいく場合も

一方、サービス開発に関わるメンバーは、先行投資の少ないサービス産業ではアイディアの良し悪しを精査してから開発するのではなく、実現可能なものを次々に発表してから調整を繰り返していくやり方で進めると語ります。オーナシップを持った一部のメンバーが議論を牽引しがちなのは常。全ての角度から意見を集めるとともに参加意識の低いメンバーにオーナーシップを持ってもらう方法にも議論が向かいます。

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話題提供者の手塚さん、議論のテーブルに入りながら、テーマから生まれたメンバーの問題意識の違いに耳を傾けています。グループごとに議論の内容を発表しあってこの日のセッションは終わりました。

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今日の裏メニュー

 オリエンタルレシピカフェ(原宿)

未来研究トーク2015の会場は、原宿竹下口から徒歩2分の距離にある薬膳カフェ・バー、オリエンタルレシピカフェ。店長の桑原さんのご好意で、会場の一角を未来研究トークのために貸してくださいました。

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左が店長の桑原さん。お店の入り口にずらりと並ぶ薬膳酒のボトルが夜の照明に反射して、知的で特別なムードを演出。オリエンタルレシピカフェさんの自慢は上の写真の棚にずらりと並んだオーガニックワイン。オーガニックだからこそのがっしりした味わいを楽しめるそうです。

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薬膳酒は種類が豊富。すべてお店で漬けた手作りです。山査子、明日葉、トマト、クコ、シナモンといった珍しい薬膳酒から、みかんやキウイといった飲みやすいものまで取り揃えています。お客さんがうきうきしながら棚の前に立って、「どれにしようか」と思案して、好きなお酒と呑み方をカウンターに伝える注文スタイル。体調や好みを伝えてお店の方に選んでもらってもOK。

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それだけでなく、未来研究トークのために作ってくださった初公開のオリジナル薬膳メニューと薬膳酒で、勉強会のしめをふるまっていただきました。頭にも体にも効果満点の一夜を演出していただき、ありがとうございました。すでに暑くなっていた今年の梅雨にぴったり、胃腸が元気になる漢方たっぷりのご飯&薬膳酒メニューでございました。

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お料理

胃腸を元気にする山査子入り油淋鶏
夏野菜の自家製ナムル
シナモンとレーズン入り人参のラペ

クコの実入りまめ豆腐
美肌に効果あり!根菜アジャンスープ
〆の薬膳カレー

今回のおすすめドリンク

梅雨を吹き飛ばす、山査子の漢方酒
自家製オーガニックワインサングリア

未来研究トークのおすすめカフェ・バー、オリエンタルレシピカフェの詳細

ORIENTAL Recipe Cafe <オリエンタル レシピ カフェ>

ウェブサイト

〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷3-62-14-1F
TEL 03-6434-0950

営業時間 平日・土曜日・祝前日 10:00〜23:00 日曜日・祝日 10:00〜21:00
アクセス JR原宿駅 竹下口より2分 地下鉄明治神宮前駅 千駄ヶ谷口より5分

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頭と体に効果満点の未来研究トーク・メニュー ごちそうさまでした!

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