「ソーシャルタイムで活動するからこそ「作っていく過程」そのものが面白い」〜勝手に「第5期科学技術基本計画」編集部反省会(第3話)〜

2016年1月22日に閣議決定され、すでに施行が開始された政府の第5期科学技術基本計画。当然気になるのが、「僕らの提案、少しは盛り込んでくれてるのか?」という疑問。そこで、サイエンストークスの小山田和仁さん、嶋田一義さん、湯浅誠さんの3名が集結。政府の答申案をサイエンストークスの提案内容と比較しながら、日本の科学技術の今のこれからについてじっくり語りました。

(収録は2016年1月、政府の答申案を資料として利用しています。)

ソーシャルタイムで活動するからこそ「作っていく過程」そのものが面白い

嶋田

嶋田 あとね、提言にまとめるまでのプロセスで、事務局の湯浅さんや加納さん、小山田さんも僕もテーマリーダーをしてくれた委員の皆さんもそうなんですけど、仕事の枠外で自分たちのソーシャルタイムでやってたというのが特徴的で、だから1年という長い期間、プロジェクトが持続可能だったと思うんです。

これってちょっと逆説的なんだけど、「自分の勤務時間内でなければ仕事しません」というのが普通のスタンスかもしれないですよね。でもサイエンストークスの「勝手に『第5期科学技術基本計画』みんなで作っちゃいました!」に関わった人たちって、誰一人として自分のワーキングタイムで仕事していた人がいなくて。

委員会メンバー、みんなむちゃくちゃ忙しいですよね。家庭があって仕事があって。でもそれでも、その間にあるソーシャルな時間を使って次の新しい社会の実現に、新しい科学技術のあり方に、自分の経験をつなげていこうじゃないか、という気持ちを皆が持っていたから、すごく触発されましたね。粋な感じというか。

小山田

小山田 「2枚の名刺」と言う言葉がありますよね。1枚本業の名刺があって、それ以外に副職の名刺がある。まさにサイエンストークスはみんなアフターセブンでやってる。僕は実際サイエンストークスの2枚目の名刺を持ってますけど(笑)

嶋田

嶋田 小山田さんは「サイエンストークスの小山田さん」という肩書きがすでにありますからね。

小山田

小山田 この間もサイエンストークス名義で会議に出たからね(笑)

湯浅

湯浅 嬉しいですよね、そういうの。2014年は事務局の我々もほとんどの週末を第5期の企画に費やしましたね。実は「勝手に『第5期』」企画をまわしていた2014年は本業であるうちの会社のビジネスが落ち込んでいる時期でして。

本社から「この大変な時期にお前ら提言どころじゃないだろう」 と言われると困るのでアフターセブンか土日しか実働に使えないという感じだったんですよね。予算も限られていまして。

日本学術会議若手の会のメンバーの方々に意見を聞きに行く企画を立てましたが、その時は本業が終わった後、深夜に事務局二人で徹夜でレンタカーを大阪まで飛ばしたりしました。大変な思いもしましたが、小山田さんと嶋田さんのお二人はもちろん、企画に関わっていただいた宮川先生、隠岐先生、中村先生、駒井先生、そして長神さん。みなさん週末もないような忙しいスケジュールの中イベントや提案書を作っていただきまして、大変励みになりました。

隠岐先生なんかは提案書の作成にあたって実際に当事者の方にヒアリングされてまとめられたり。おかげさまでクオリティの高い提案書になったと思っています。先生は「ひとの多様化」、ダイバーシティをテーマに提案を作成していただきましたが、そこから派生して、実際にご自身が今、ダイバースな研究環境の実現に向けた活動に動かれていて素晴らしいですよね。

ヒアリングをされた当事者の方たちとつながってコミュニティの立ち上げに関われれていたり。宮川先生は「ひとの評価」、競争と共創のバランスをテーマに提案をしていただきましたが、具体的な提案内容の実現に向けて文科省からお声がかかったりと、本当に実践につなげられていますよね。

小山田

小山田 そういう意味でいうと、今回の「勝手に『第5期科学技術基本計』みんなで作っちゃいました!」は、作っていくプロセス自体が面白かったんです。その面白さに触発されて、提言そのものというよりも、その活動の中で化学反応が起きて広がっていった。そういうやり方自体が今っぽいと思いましたね。

湯浅

湯浅  イベントでの意見徴収もクラウド型で。しかも、提案書はウェブ上で編集しながらみんなで作っていくという。

小山田

小山田 イベントに来てくれた参加者のみなさんも多様な人たちが来ていて、イベントそのものを楽しんでもらえるものにしました。そこから色々また横のつながりができていくから。そういう、あそこに行ったらなんか面白いことがあるぞ、みたいな場としてサイエンストークスが機能するといいですよね、今後も。

 

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