【吉澤剛氏にインタビュー】市民や企業をまきこんで、科学をもっとおもしろくさせよう!(4)斬新なイノベーション研究者と企業を結ぶネットワークが重要!

大阪大学大学院准教授の吉澤剛さんにインタビュー!

「政策のための科学」に関わり、政策デザインワークショップを主催する吉澤さん。テクノロジーアセスメント、知識政策がご専門で、大阪大学の「医の倫理と公共政策学」にて准教授をつとめられる傍ら、2007年よりNPO市民科学研究室の理事もされています。科学にもっと市民や企業が参加し、もっと面白くするための様々なアイディアや実践を語っていただきました。

BeFunky_IMG_2349.jpg吉澤剛/GO YOSHIZAWA
大阪大学大学院医学研究科 准教授

<プロフィール>
慶應義塾大学理工学部物理学科卒業後、東京大学大学院(科学史)修了。民間シンクタンクに2年半勤務した後、2002年よりイギリスサセックス大学にて科学技術政策を研究。2008年にPhDを取得し、東京大学公共政策大学院・科学技術と公共政策研究ユニット(SciTePP)に加わる。2011年より現職。専門はテクノロジーアセスメント、知識政策など。

第4回 斬新なイノベーション研究者と企業を結ぶネットワークが重要!

湯浅 私たちはサイエンストークスの活動に企業として参画していますが、研究者の方たちが一般企業にしてほしいサポートってどんなことが他にあると思いますか?

吉澤 一般企業との付き合いは、実は我々研究者はあまりなくて、研究者と政策を結びつけることはあっても、そこに企業は入っていません。他の企業の方をうまく巻き込める仕組みがあるのであれば、是非お願いしたいです。なかなか縁遠いと思いますので。

湯浅 企業がもし協力することによって、どういうメリットがあると思いますか?

吉澤 たとえば、製造業などのメーカー企業に協力して頂けることによって、自分たちの研究成果をうまく使って頂けるかもしれないというメリットはありますよね。研究が本当に役に立つのかどうかというところは、しっかりと企業に向けてアピールできないといけない。なかなか今の仕組みだと、産学連携って言っても、縁遠いですよね。普通の研究をやっているだけでしたら、別にその企業に訴えることもしてないですし。

湯浅 現状では、商品・製品開発するなど、そういった部分がうまくできないので、そこの架け橋をやっていただけたら、メリットがあるということですね。

吉澤 でも、それだけではやはり小さくて、本当は製造業だけではなくて、むしろサービス業など様々な業種の企業とどう結び付けられるか、というところを研究者自身に考えてもらいたいですね。他にも、メディアや教育関係、あとは商社などとも結びつきができるかもしれないですよね。

湯浅 「私は製造業にこんな風に貢献できると思います!」といったように研究者に発信していただいて、それを受け手の企業側が「おもしろいから一緒にやりましょう!」とこたえるようなネットワークがあると面白いですね。

吉澤 そのときに様々な業種が集まることが重要です。その研究は製造業には結びつかないといわれたとしても、これは教育やメディアに結びつくかもしれないですし。

湯浅 意外なイノベーションが生まれるかもしれないですよね。企業と研究者が一緒に共同研究する場合、企業側から何らかのニーズがあって、専門家の人のところにお話を聞きに行くというパターンなのでしょうか?

吉澤 両方のパターンがありますが、やはり企業がお金出すことが多いので、企業側が乗り気でないと、始まらないと思います。でも、具体的にニーズがなくても、ポンと大学に提案して、寄付講座をおこなうとか、あるいは研究所という形で枠を作っておもしろいことやることもできるかもしれませんね。

湯浅 会社のサービスの一環として、そのような架け橋というのもおもしろいですね。世のため、人のためになりつつ、しっかりとビジネスにもなります。

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研究と政策を結びつけることがあっても、研究と企業の結びつきがまだまだ弱いのが現状だそうです。吉澤さんは、1つの業種と1つの研究を結ぶことにとらわれるのではなく、様々な業種の企業と、色々な専門分野の研究者がいっせいに集まるようなネットワークを構築することが重要であり、その集まりの中で、ひょっとしたら意外なイノベーションが生まれる可能性が生まれるかもしれないとお話しされています。次はいよいよ最終回。第5期科学技術基本計画で練りこみたいアイデアについて話しあいます。(全5回)

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